創業87年の(株)協同が運営
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チェンソーアート作品コーナーの第三回は、第二回登場の樋口裕行氏の紹介で山形の出羽-竜馬チェンソーカーバーズで長年ともに作品制作に切磋琢磨され、現在、地元の岩手県北上市で『カービングクラブ岩手』を発足し、チェンソーアートに励んでおられる高橋康基さんの作品紹介です。

木を削る時間そのものを楽しむ。
チェンソーアートへの情熱――髙橋康基氏
チェンソーの轟音とともに、一本の丸太から少しずつ姿を現していく作品。
チェンソーアートというと、完成した作品の迫力や技術の高さに目が行きがちです。しかし、その作品を生み出す人には、それぞれにチェンソーアートと出会った物語があり、作品に対する独自の思いがあります。
今回ご紹介するのは、岩手県北上市を拠点に活動するチェンソーアーティスト、髙橋康基氏です。
1953年生まれ。2010年からチェンソーアートを始め、現在では「カービングクラブ岩手」の代表を務めています。東北各地の大会や地域イベントに積極的に参加しながら、仲間たちとチェンソーアートの魅力を追求しています。
その活動の原点には、一人のチェンソーアーティストへの強い憧れがありました。
◆ 一人の作品との出会いから始まった
髙橋氏が初めてチェンソーアートに出会ったのは、岩手県岩泉町のチェンソーアーティスト、西間健氏の作品を見たことがきっかけでした。
そして、さらに大きな影響を受けることになったのが、チェンソーアート界の第一人者、栗田広行氏との出会いです。
インターネットで栗田氏の作品を見つけ、その作品の魅力に惹かれた髙橋氏。
その後、秋田や山形で開催された大会にも足を運び、栗田氏の活動を追いかけるようになります。
さらに栗田氏のブログを通じて作品を購入。
「ウサギがニンジンをくわえている作品」や「骨を枕にして寝ているワンコ」など、今でも大切にしている作品があるといいます。
単なる「作品のファン」から始まった交流は、やがて実際の人とのつながりへと発展していきました。
栗田氏が代表を務める「出羽―竜馬チェンソーカーバーズ」に参加するようになり、次第に栗田氏との親交を深めていったのです。
憧れのアーティストの作品を見ることから始まり、実際に大会へ足を運び、作品を手に入れ、そして同じ仲間として活動する。
髙橋氏のチェンソーアート人生は、まさに「好き」という気持ちから始まったのです。
「カービングクラブ岩手」を立ち上げる
現在、髙橋氏は地元・北上市で**「カービングクラブ岩手」**を立ち上げ、その代表を務めています。
2024年から代表として活動し、地域のチェンソーアート愛好家たちとともに技術を磨き、交流を深めています。
さらに、栗田広行氏を講師として迎え、チェンソーアート教室も開催。
自分自身が憧れのアーティストを追いかけて学んできたように、今度は地域の仲間たちがチェンソーアートに触れる機会をつくっています。
チェンソーアートは、決して一人だけで完結するものではありません。
丸太と向き合う時間も大切ですが、同じものを好きな仲間と技術を競い、作品について語り合う。
そこに髙橋氏が感じる大きな魅力があります。

東北各地で活動するチェンソーアーティスト
髙橋氏の活動の中心は東北地方。
これまで、
などの大会に参加してきました。
また、競技会だけではありません。
八幡平山賊まつり、八幡平紅葉まつり、岩手県立緑化センター「秋の緑化まつり」、栗駒高原森林まつり、くろいわりんごまつり&収穫祭、展勝地秋まつりなど、地域のさまざまなイベントにも参加。
チェンソーアートの魅力を、作品を通して多くの人に伝えています。
目の前でチェンソーを操り、一本の丸太が動物や人物などへと姿を変えていく。
その迫力と驚きは、実際に目にした人にしか分からない魅力があります。
髙橋氏は、そうした地域との接点を大切にしながら活動を続けています。

愛用するチェンソーにもこだわり
髙橋氏が作品制作で使用するチェンソーは、ハスクバーナを中心に、ゼノアも愛用しています。
ハスクバーナでは、
357XP、346XP、333XP、339XP、536iXP、540iXP
などを使い分けています。
さらにゼノアの
G3401、G2000T、G3701
も愛用。
カービングバーにはサムライやキャノンバーを使用し、チャップスやブーツ、オイルなどにもハスクバーナ製品を選んでいます。
チェンソーアートでは、作品の大きさや形状、木の状態、削る場所によって道具を使い分ける必要があります。
一本のチェンソーですべてを仕上げるのではなく、それぞれの道具の特性を生かしながら木と向き合う。
そこにもチェンソーアートの奥深さがあります。
「とにかく楽しむこと」
では、髙橋氏はチェンソーアートで何を目指しているのでしょうか。
その答えは、とてもシンプルです。
「とにかく楽しむこと。」
もちろん、素晴らしい作品をつくりたいという思いはあります。
しかし、それ以上に大切にしているのが、チェンソーアートを好きな仲間たちと一緒に切磋琢磨する時間。
そして、
「一緒に飲んで、チェンソーアートについて語り合うこと」
だといいます。
技術を競う大会だけがチェンソーアートではない。
作品について語り、失敗談を話し、新しい技術を教え合い、次はこんな作品を作ってみようと盛り上がる。
そんな仲間との時間こそが、髙橋氏にとって大きな楽しみなのです。
「まだまだ勉強中」が楽しい
髙橋氏は、自分自身について「まだまだ勉強中」と語ります。
しかし、そこには決して後ろ向きな意味はありません。
むしろ、知らないことがあるからこそ面白い。
新しい技術を学び、これまで作ったことのないものに挑戦し、少しずつできることを増やしていく。
その過程そのものを楽しんでいます。
「いまだに興味のあるものは何でもやってみたい。」
この言葉からも、髙橋氏のチェンソーアートに対する好奇心の強さが伝わってきます。
完成した作品だけを見ると、技術や経験がすべてのように思えてしまいます。
しかし髙橋氏にとっては、作品が完成するまでの「学ぶ時間」「試す時間」「仲間と語る時間」も、チェンソーアートの大切な一部なのです。
得意な作品は「ふくろう」
髙橋氏に「得意な作品は何ですか?」と尋ねると、
「特にないが、これまで一番作ったのはふくろう」
との答え。
ふくろうは、チェンソーアートでも人気の高いモチーフの一つです。
丸太から顔や羽、羽毛の表情をどのように作り出すのか。
同じ「ふくろう」でも、作り手によって表情や雰囲気は大きく変わります。
これまで数多くのふくろうを制作してきた髙橋氏。
それでも「得意」と言い切らないところに、まだまだ挑戦を続けたいという姿勢が感じられます。
一本の木から生まれる「人とのつながり」
髙橋氏のチェンソーアート人生を振り返ると、一本の木から始まる物語ではなく、人と人とのつながりから広がってきた物語であることに気づきます。
西間健氏の作品との出会い。
栗田広行氏への憧れ。
大会へ足を運んだこと。
作品を購入したこと。
そして、同じクラブで活動する仲間との出会い。
現在は自ら「カービングクラブ岩手」を立ち上げ、次の世代へチェンソーアートの楽しさを伝える立場にもなっています。
チェンソーで木を削る。
そのシンプルな行為から、技術が生まれ、作品が生まれ、そして人とのつながりが生まれていく。
それこそが、髙橋康基氏が16年間にわたってチェンソーアートを続けてきた理由なのかもしれません。


■ 髙橋康基氏プロフィール
髙橋 康基(たかはし こうき)氏
■ 木を削る。仲間と語る。そして、また挑戦する。
チェンソーアートを始めて16年。
それでも「まだまだ勉強中」と笑う髙橋氏。
その姿勢こそが、チェンソーアートを長く楽しみ続けられる理由なのかもしれません。
「もっと上手くなりたい」という気持ちだけではなく、**「もっと楽しみたい」「もっとやってみたい」**という好奇心。
そして、同じチェンソーアートを愛する仲間と過ごす時間。
北上市から、東北のチェンソーアートを盛り上げる髙橋康基氏。
これからどんな木から、どんな作品が生まれてくるのか。
その一本一本に、ぜひ注目していきたいと思います。
■ 代表作品
①ふくろう



②タツノオトシゴ



③ニャンコ



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